矯正治療中に起こる口内炎の原因とは
矯正治療を始めたばかりの患者さまから「口の中が痛くて食事がしづらい」というご相談をいただくことがあります。
矯正装置が粘膜に触れることで発生する口内炎は、矯正治療中によく見られるトラブルの一つです。しかし、適切な対策を取ることで多くは予防が可能です。
当院では、患者さまが快適に治療を継続できるよう、装置による刺激の軽減や口腔ケア指導を丁寧に行っています。
なぜ矯正治療中に口内炎ができやすいのか
矯正装置による物理的刺激
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが頬や唇、舌の粘膜に接触しやすく、これが「カタル性口内炎」と呼ばれる炎症を起こすことがあります。
マウスピース型(カスタムメイド)矯正歯科装置(インビザライン)の場合でも、マウスピースの縁が当たることで小さな傷ができることがあります。
口腔内環境の変化と乾燥
装置の周囲には食べかすやプラークが付着しやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。
また、唾液の流れが妨げられることで乾燥し、粘膜が傷つきやすくなることも要因の一つです。
免疫力の低下
睡眠不足やストレス、栄養バランスの乱れによって免疫力が低下すると、口内炎ができやすくなります。特にビタミンB群やCの不足は粘膜の回復を遅らせるため注意が必要です。
今日から始められる口内炎の予防法
矯正用ワックスで粘膜を保護
ワックスをブラケットやワイヤーの端に貼ることで、物理的刺激を和らげられます。
使用時は、装置の水分を軽く拭き取ってから貼ると密着しやすく効果的です。
丁寧な歯みがきで細菌を減らす
ブラケット周囲は歯ブラシを上下から当て、小刻みに動かして清掃します。
歯間ブラシやデンタルフロス、フロススレッダーなどを併用することで、細菌の繁殖を防ぎ、口内炎の予防につながります。
栄養バランスの整った食事
ビタミンB2(卵・納豆・レバー)やB6(マグロ・バナナ)、ビタミンC(ブロッコリー・いちご)を意識的に摂取しましょう。
鉄分や亜鉛も粘膜の再生に重要な栄養素です。
口内炎ができてしまった時の対処法
刺激の少ない食事を選ぶ
辛い・酸っぱい・硬い食べ物は避け、スープやおかゆ、豆腐、ヨーグルトなどを中心に。
飲み物はストローを使用して患部を避けると痛みが軽減されます。
市販薬を上手に使う
口内炎治療薬には、塗るタイプと貼るタイプがあります。
症状の部位や程度に合わせて使い分けましょう。
矯正装置の調整と医院でのサポート
同じ箇所に繰り返し口内炎ができる場合は、装置の形状や位置が原因の場合もあります。
当院では、必要に応じて装置の微調整を行い、粘膜への負担を軽減しています。
治療期間は一般的に2〜3年、通院回数は24〜36回程度が目安です。
※矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自由診療です。
【主なリスク・副作用】
歯の移動に伴う痛み、歯肉の炎症、一時的な発音障害、装置の違和感、歯根吸収、治療後の後戻りなどが生じる場合があります。
当院での矯正治療の取り組み
当院では、患者さまの症状やライフスタイルに合わせて、
- マウスピース型(カスタムメイド)矯正歯科装置(インビザライン)
- ワイヤー矯正
- リンガルブラケット矯正法(舌側矯正)
などから最適な治療方法を選択しています。
治療前にはレントゲン撮影や口腔内スキャンなどを行い、丁寧にご説明いたします。
まとめ:快適に矯正治療を続けるために
矯正治療中の口内炎は、正しいケアと予防で多くを防ぐことが可能です。
違和感や痛みを感じた場合は、無理をせず早めに歯科医院へご相談ください。
患者さまが安心して治療を継続できるよう、スタッフ一同サポートいたします。

監修ドクター:冨田 大介
略歴
大阪歯科大学卒業
東京歯科大学勤務(研修医)
昭和大学歯科矯正学講座 入局
昭和大学大学院 博士号取得
昭和大学歯科病院 助教(歯科)
都内複数一般歯科医院にて
矯正科担当医として勤務
白金高輪矯正歯科 副院長
医療法人社団因幡会 矯正科医局長
資格
日本矯正歯科学会 認定医
歯学博士
所属学会
日本矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
日本スポーツ歯科医学会
