歯の解剖
お口の中を見ると歯はただ白い塊にみてるかもしれません。実は歯はいろいろな硬さや役割を持った様々な組織できています。今回は「歯が動かす」ということに注目して歯の根っこの組織について説明していきます。歯の根っこのことを歯根と言います。歯根の周りには歯根膜と呼ばれる薄い組織があります。歯根膜の外側には骨があります。歯根膜があることで歯を動かすことができます。もし、歯根膜がなかったら歯と骨はくっついてしまい、歯を動かすことができません。歯根膜はとても重要な役割をしています。
歯の動き方
歯根膜には細胞や血管がたくさん存在しています。歯を動かしたい方向に矯正力を加えると、歯根膜に破骨細胞やマクロファージと呼ばれる細胞がたくさん出現します。これらの細胞は骨を溶かす作用があります。この作用の影響で骨を溶かしながら歯を動かすことができます。逆に動かす前に歯があった場所はなにも起こらないと空洞になってしまいます。空洞にならないために、歯根膜に存在する骨芽細胞や線維芽細胞と呼ばれる細胞が骨を作っています。
矯正力の大きさ
矯正力は大きければ大きいほど良いというわけではありません。力が大きすぎると、歯根膜は歯と骨に強い力で挟まれてしまい歯根膜に存在する細胞が死んでしまいます。そうすると骨を溶かすことができず、歯を動かすことができません。適正な力で動かすことが重要です。
歯の移動時期
歯は1か月の中で2回動くタイミングがあります。1回目は、調整直後から約3日間。2回目は、約3週間後からです。途中、停滞期があります。歯は2段階で動くため、矯正治療を行うと痛みが2回来る方がいらっしゃいます。1か月で歯は約1.0mm動くと言われています。
今回は、歯の動きについて説明させていただきました。歯根膜の役割を理解して頂けたでしょうか。歯の表面に一部分でも歯根膜がないと骨性癒着と呼ばれる症状になりその歯を動かすことができなくなります。骨性癒着の原因は転んで歯をぶつけたり、交通事故にあって歯に強い衝撃が加わることによる歯根膜の損傷が多いです。矯正治療を行う上でこの既往歴はとても重要です。骨性癒着があるので矯正治療が出来ないというわけではありませんが、治療方針に関わってきますので、矯正相談にいらして頂いた際にはお伝えいただければと思います。